練馬大根

 「練馬大根」と言う名前を
知らない人はいないほど有名なのに、
見たことのある人は少なくて、
練馬で作った大根はみんな練馬大根だと思っている人も
少なくないようです。
練馬区役所でも絶滅したと言う
説明をしているそうです。
今は練馬大根の種を役所で希望者に配っているようなのに、
変ですね。純粋な(何をもって言うのか分かりませんが。)
種は無いということでしょうか。

 私もこの農園にくるまで、
練馬大根を見たことが無く
「幻」と聞いていたから、
作れるとは思っていなかったので、
初めての年、練馬大根の種をまくというので
少なくていいというのに、
うれしくて、たくさん播いてしまいました。
これがたいへんな間違いで、
収穫のときになって、
播きすぎたことを後悔しました。
10本抜いたら息が切れてしまいました。
抜けないのです。
大きな株と言う童話の意味がこれだったんだーと
納得できました。
 高齢化した今ならなお更、これを抜くのは大仕事です。
首大根の抜きやすさと言ったら、片手で抜けるのに、
練馬大根は渾身の力をこめても抜けないのです。
今から抜くことを考えたら、
肩のあたりと腰のあたりが、いやがっています。
誰かやってくれないかなーと期待してしまいます。
ぜひ話の種に抜きに来ませんか?
「練馬大根抜きツアー」
結構いい体験ができると思うのですが。
農園の皆さんは4本作るだけですが、
うまく育たなかった方、余力のある方は
たくさん抜かせてあげますよ。
御気軽にお声をおかけ下さい。

もう一つ練馬大根が廃れてきた理由は
栽培が難しいのです。
深く耕さなければならないことと、
病害虫がつきやすいことです。
もう一つは青首大根の甘さとみずみずしさと、
柔らかさに、嗜好が向いている事です。

練馬大根はたくあんに向く大根で、
繊維がしっかりしています。
大根おろしにするとこんもり山が出来ます。
首大根はさらさらしています。
煮物にも向いています。
それでも柔らかくて作りやすい大根へと
品種改良されたのですから、
練馬大根は、まぼろしにやはりなっていくのでしょうか。

軍需品としてたくあんとなって
外地まで運ばれた大根だそうです。
この辺にある漬物屋さんめぐりもいいかも。
宮本食品さんやその前にある公園には
漬物樽が展示され説明もあります。
公園の縁石は漬物石です。
愛染院前にある大根の碑をみて、
愛染院の鐘楼は漬物石で出来ています。
練馬大根ゆかりの地。
社会科見学のいいかもしれませんね。
本当は園主のお母さんのお話が一番面白いです。