彼岸花1

 彼岸花ほど名前のたくさんある植物を
見たことがありません。
それほど、土地土地に、密着していたのでしょう。

 彼岸に、花を供えずにすむから、墓に植えた説。
飢饉に、備えて、根のでんぷんをとるために、
身近なところに植えた説。
あぜ道の土留めに使った説。など、
里で、栽培されるわけはあったようですが、
反対に、独特の妖艶さに忌み嫌う要因もあった様で。

 でんぷんを食べるにしても、
ヒガンバナにさえ手を出さなければならない生活は、
とてもひどかったでしょうし。
根に含まれる毒にあたった人も多かったようです。

 戦時中は良質のでんぷんを
落下傘ののりに使ったと聞いたこともあります。

 面白い話がひとつ。
いつも出てくる私の母校は、
キリスト教主義の園芸の学校だったので、
戦後、花を求める人には、
外国の人も多かったそうです。

 ヒガンバナはスパイダーリリーといって、
外国の方は、好まれ、
学校でできた彼岸花を出荷していたそうです。

 当時、ある先生が入院なさったときに、
学生たちは、
花束を持って、お見舞いにいったそうです。
 先生はわかっていらして、
感謝の気持ちで、いっぱいだったそうですが、
同室のお年を召した方からは、
いやなことをする。といわれたそうです。

 真っ赤な彼岸花を花束にしてお見舞いに行ったら、
多くの日本の人は、びっくりするでしょうね。

もうひとつ。
 今年なくなられた柳宗民先生の講義の中から。
赤いヒガンバナが嫌だって言うんだったら、
白いのと、交互に植えればいいんですよ。
紅白でとてもめでたいでしょう。

まだまだ書き足りないけれど、又明日。

久しぶりに、宿題。
知っている彼岸花の別名を
知っているだけ上げてください。
できればその地方名も。
回答はコメントを使ってね。

今日の言葉
桃栗三年柿八年