くちなし。

 暑かったですね。
といっても一日中車の中で、
クーラーききっぱなしで、
ずっと座っていたので、
暑さに関してはあまり感じませんでした。
でも体壊しそうです。

 先日くちなしの花が
いい香りだと書きましたが、
公園などに植えられているものの多くは
八重咲きです。
 八重咲きというのは
おしべやめしべが花びらに変わったものが多いので、
種をつけることは余りありません。

 お寺などに昔から植わっていたものや
鳥が(フンなどで)運んできたものなどには、
一重咲きがあります。
一重咲きはしっかりめしべとおしべがあるので、
実がなります。
正月きんとんの色づけに使うのはこの実です。

 農場にあるくちなしは、一重のものです。
秋になると実がなります。
 鳥のおかげであちらこちらから芽が出てきます。

八重といえば大田道灌です。 
 鷹狩りに出かけた大田道灌が、雨に降られて、蓑(み)を借りられないかと、
近くの農家に立ち寄ったけれど、農家は貧しく、蓑ひとつさえなさそうで、
農家の娘が、黙って「山吹の花」を差し出した。お話です。

実がない八重ヤマブキと蓑(み)がないにかけた話です。

 昔の人も八重咲きには実がつかないことを
知っていたのですね。

 では八重咲きの花を増やすのには
どうしたらいいのでしょうか?
株分けやさしきでふやします。
 お父さんお母さんの株がわかっていれば、
それを大切に育てて、そのつど交配をさせます。
これから取れた種を一代雑種、F1といいます。

 種無しすいかもこういう親を作ることで、
種無しスイカの種ができるのです。

今日の言葉
七重八重花は咲けども山吹の みのひとつだになきぞあやしき(悲しき)
『後拾遺和歌集』(兼明親王)